第五十五段 をりふしごとに

むかし、男、思ひかけたる女の*1、え得まじうなりての世に*2

思はずはありもすらめど*3言の葉の*4をりふしごとに*5頼まるるかな*6

*1:想いを懸けていた女が

*2:どうしてもモノにできないっていう事情になってしまい(次の歌を詠んだ)

*3:(俺の事を)思ってはいないってのもあるんだろうけど

*4:(たまにもらう手紙の中のあなたの)言葉が

*5:何かにつけて

*6:頼りにできちゃうことだよ(想いを断ち切るのに邪魔だよ)…