2010-10-28 第五十四段 夢路の露 むかし、男、つれなかりける女に言ひやりける*1、 行きやらぬ*2夢路*3をたのむ袂*4には天つ空なる露や置くらむ*5 *1:冷淡だった女に(次の歌を)詠み送った *2:行き着くことのない *3:(現実では逢えないので)夢の中で(彼女に)逢いに行く通い路 *4:たもと、着物の袖んとこ *5:行き着くことのない夢の通い路をたどる俺の袂には、天空の露が置いてゆくのだろうか(びっしょりと濡れているんだぜ…)