第四十九段 うら若み

むかし、男、妹のいとをかしげなりけるを見をりて*1、

うら若み寝よげに見ゆる若草を*2人のむすばむことをしぞ思ふ*3

と聞えけり*4。返し*5、

初草のなどめづらしき言の葉ぞ*6うらなくものを思ひけるかな*7

*1:妹がめっちゃ可愛いのを見ていて（次の歌を詠んだ）

*2:若々しくて、寝良さそうに見えるこの若草（妹）を

*3:（俺以外のほかの）男が結ぶんだろうって思うと…！！！

*4:と申し上げた（←たぶん腹違いで妹のほうが高い身分）

*5:返しの歌

*6:初草だなんてどうしてそんな妙な言葉を？

*7:嘘偽りなくお兄様のみをと思ってましたのに…