第三十六段 谷せばみ

むかし、「忘れぬるなめり」と*1問ひごとしける*2女のもとに*3

谷せばみ峰まではへる玉かづら*4絶えむと人にわが思はなくに*5

*1:「もうアタシのこと忘れちゃったんでしょ…?」と

*2:問いかけてきた

*3:(次の歌を詠んだ)

*4:谷が狭く山頂まで延びている美しい蔓草(つるくさ)(と同じように)

*5:俺はあなたに絶えて欲しいとは思わないよ