2010-09-16 第三十四段 言へばえに むかし、男、つれなかりける人のもとに*1、 言へばえに*2言はねば胸にさわがれて*3心ひとつに歎くころかな*4 おもなくて*5言へるなるべし*6。 *1:つれなくされた人のもとに(次の歌を詠み送った) *2:(この悲しみを)言い表そうとしてもできないし *3:(だからっつって、)言わなけゃ言わないでソイツが胸で騒ぎやがるから *4:自分の心の中だけで歎(なげ)いてるこの頃だよ… *5:恥も外聞もなく *6:詠んだ歌なんだろうねー