2010-09-13 第三十一段 よしや草葉よ むかし、宮のうちにて*1、ある御達の局*2の前を渡りけるに*3、なにのあたにか思ひけむ*4、「よしや*5、草葉よ*6。ならむさが*7見む*8」と言ふ。男、 罪もなき人をうけへば*9忘れ草おのが上にぞ生ふ*10と言ふなる*11 (*12) と言ふを、ねたむ女もありけり*13。 *1:宮中で *2:ご婦人の部屋 *3:通ったら *4:なんか悪い奴だと思ったのか *5:よっしゃ *6:(あなたの)忘れ草よ *7:こっからどうなるものか *8:見届けますよ *9:罪もない人を呪うと *10:忘れ草は自分の上に生える *11:と言われてますがね… *12:忘れ草が「生ふ(生える)」と、呪いを「負う」をかけてる *13:やられたwと思う女もいたとさ