第二十五段 秋の野に

むかし、男ありけり。あはじ*1とも言はざりける*2女の、さすがなりけるがもとに*3、言ひやりける*4

秋の野に笹分けし朝の袖よりも*5あはで寝る夜ぞひち*6まさりける*7

色好みなる女*8、返し*9

みるめ*10なきわが身を浦と知らねばや*11離れなで*12海人の足たゆく*13来る (*14

*1:逢わねーよwww

*2:とも(男が)言わなかった

*3:ガチで脈無しだった女のところに

*4:(次の歌を)詠み送った

*5:秋の野に笹をかき分けて(女の家から)帰った朝の袖よりも

*6:「ひつ」=濡れる

*7:逢わないで寝る夜の方がよっぽど(涙で)濡れたぜ…

*8:好きモノ女は

*9:(次の歌を)返した

*10:海松布/水松布、海藻の一種、イメージ検索はグロ注意。「見る目(=男女が逢う機会)」とかけてる

*11:知らないのかなw?

*12:毎晩欠かさず

*13:足ダルダルで

*14:(あんたとは)逢わないって(=海松布のない浦だって)知らないのかしら?諦めの悪い海人が足ダルダルのクセに毎晩来ちゃってまあ(笑)