第二十二段 千夜を一夜に

むかし、はかなくて絶えにける仲*1、なほや忘れざりけむ*2、女のもとより、

憂きながら*3人をばえしも忘れねば*4かつ恨みつつなほぞ恋しき*5

と言へりければ*6、「さればよ*7」と言ひて、男、

あひ見ては*8心ひとつを*9かはしま*10の水の流れて絶えじ*11とぞ思ふ (※C釈→*12

とは言ひけれど*13、その夜いにけり*14。いにしへ、行く先のことどもなど言ひて*15

秋の夜の千夜を一夜になずらへて*16八千夜し寝ばや*17飽く時のあらむ*18*19

返し*20

秋の夜の千夜を一夜になせりとも*21ことば*22残りて鶏や鳴きなむ*23*24

いにしへよりもあはれにて*25なむ通ひける*26

*1:ささいなことで別れてしまった仲だったけど

*2:やっぱり(男のことを)忘れられなかったんだろうか

*3:つらいことはつらいんだけど

*4:あなたのことが忘れられないから

*5:うらめしく思いながらもやっぱ恋しいよ…

*6:と詠んで寄越したので

*7:そんなこったろうと思ったぜw

*8:おたがい愛し合った仲だから

*9:(今後も)心のつながりだけは

*10:川の中の島、「(心を)交はし」とかけてる

*11:川島まわりのの水の流れが途絶えてしまわないように

*12:お互い愛し合った仲だしさ、これからも心だけは、繋がっておこうぜ!

*13:とかなんとか詠み送ったけど(二十一段にもまったく同じフレーズあったねww→ http://d.hatena.ne.jp/chomgeh/20100902

*14:(結局)その夜(女のもとへ)出かけてった→ま、アレをしに、だよねw

*15:昔のことや将来のことなどなど、いろいろ語り合って(男は次の歌を詠んだ)

*16:(秋の夜長ってぐらいだから)長い秋の夜の千夜を一夜になぞらえて

*17:その一夜を八千ぐらい一緒に寝れば

*18:(俺の)心が満たされるかしらw?

*19:どんだけやる気マンマンだよw

*20:(女は次の歌を)返しに(詠んだ)

*21:長い秋の千夜を一夜にしたところで

*22:睦言、ピロートーク

*23:ピロートークがまだ終わらない内に朝を告げる鶏が鳴いちゃうだろうねw(はぁと

*24:鶏が鳴く→朝が来たことをしる→男は帰る、まぁ、また夜ヤリに通ってくるわけだがw

*25:以前よりも愛情もこまやかに

*26:(男は女のもとへ)通ったとさ。