2010-08-21 第十五段 しのぶ山 むかし、陸奥にて、なでふことなき人の妻に通ひけるに*1、あやしう*2、さやうにてあるべき女*3ともあらず見えければ*4、*5 しのぶ山*6忍びて通ふ道もがな人の心の奥も見るべく (※C釈→*7 *8) 女、かぎりなくめでたしと思へど*9、*10さるさがなきえびす心を見ては*11、いかがせむは*12。 *1:なんつうこともない奴の妻に通ったんだけど *2:不思議にも *3:そんな(つまらん男の妻という)境遇で当たり前の女 *4:じゃないように見えたんで *5:(男は次の歌を送った) *6:福島市街北の丘陵 *7:人目を忍んで(あなたのもとへ)通う道があればいい、あなたの心の奥ゆかしさを見られるように *8:「しのぶ山」で「忍ぶ」とか「道」「奥」(→みちのく)あたりとかけつつ舞台を示す *9:(この男を)マジ素晴らしいんだけどwと思ったんだけど *10:ここから作者コメ→ *11:(その男は)そんなしょうもない田舎女の心を見て *12:どないするっちゅうねん!