2010-11-29 第五十九段 東山 むかし、男、京をいかが思ひけむ*1、東山*2に住まむと思ひ入りて*3、 住みわびぬ*4今はかぎりと*5山里に身を隠すべき宿求めてむ*6 かくて*7、ものいたく病みて*8死に入りたりければ*9、おもて*10に水そそきなどして*11、生きいでて*12、 わが上に露ぞ置くなる*13天の河*14門*15渡る舟*16のかい*17のしづく*18か となむ言ひて*19、生きいでたりける*20。 *1:京をどう思ったのか *2:京の東の山々 *3:「東山に住もう」と、悲観して(次の歌) *4:もう(この世に)住むの疲れたわ… *5:これで最後だと *6:山里に身を隠せる家を探そう… *7:こうして *8:めっちゃ病んで *9:息絶えてしまったので *10:顔 *11:顔に水ぶっかけたりして *12:息を吹き返して *13:俺の上に露が置くようだ *14:(七月七日のアレ) *15:渡し場 *16:(織姫に逢いに彦星が乗る舟) *17:かい【櫂】舟を漕ぐ道具。オール。 *18:雫 *19:と詠んで *20:生き返ったのだった…